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書籍名:もっと読む:英語に強い飲食店になる。

もっと読む:英語に強い飲食店になる。

Outline書籍の概要

はじめに

「接客英会話」は「日常英会話」よりはるかに簡単!

「今までは自分のカウンターに外国人が来ると「やばいっ!」と思って逃げていましたが、レッスンを受けてからは、『やった!英語がしゃべれる!』と思えるようになりました」

弊社の接客英会話レッスンを受けられた、鉄板焼き店で働く方からいただいた感想です。

生徒さんが英語で接客をすることに前向きになっていく姿を拝見するのが、講師として一番嬉しい瞬間です。

はじめまして、内木美樹と申します。飲食店に特化した接客英会話レッスンを行う「株式会社華ひらく」を経営しています。19 歳でアメリカのネバダ州にある短大に留学し、卒業後に現地のカジノホテルでウェイトレスとして就職した経験を元に事業を行っています。

さて、前述の生徒さんの様に、海外からのお客様が来店されると、

「げげっ、どうしよう」

と困ったり焦ってしまう方、多くいらっしゃるのではないでしょうか?

そのお気持ち、とってもよくわかります。

と言いますのも、今でこそ偉そうに講師として接客英会話レッスンをしている私ですが、まだ英語がままならない状態にもかかわらずアメリカで働き始めたころは、毎日恐怖心でいっぱいでした。

「恥をかきたくない」

「英語ができない子と思われたくない」

という見栄が、自分でハードルを高くしてしまっていました。

でも、ある時気づいたのです。

人は、先が見えないものに対して恐怖心を抱くのだと。

そう、たった2 つのことが事前にわかっていれば、恐怖心は軽減できるのです。

① 自分が英語で何を言えばいいか

② お客様から何を聞かれているか

これは、弊社のレッスンを受けられている生徒さんも同様に感じていることです。

「何名様ですか?」「お決まりですか?」「お皿をおさげしてもよろしいですか?」を英語でなんと言えばいいかわかっていれば、突然海外からお客様がお見えになっても、これまでのように恐れる気持ちはなくなります。

レッスン内で最低限の接客英会話を覚えると、

「このフレーズ、今日から使えるじゃん♪次に海外のお客さんが来たら早速言ってみよう!」

「忘れないうちに使いたいなぁ。早く海外のお客さん来ないかなー」

と、冒頭でご紹介した生徒さん同様、海外からのお客様の

来店を楽しみにできるようになれるのです。

これは「飲食店に限定した接客英会話」だからこそなせる業です。もしこれが「日常英会話」であれば、そうは簡単にいきません。なぜなら、「日常英会話」は話題の幅がとてつもなく広いからです。

季節、趣味、ニュース、旅行、テレビ、家族、健康、仕事、食事、ファッション、政治など、あらゆるジャンルが入ってくるため、日本にいて「日常英会話」を習得するには、何年もコツコツと継続して勉強する覚悟が必要になります。

しかし、「飲食店に限定した接客英会話」は数が限られています。飲食店内で使う英語はそれほど多くありませんし、必要なものを選び、毎日繰り返し使っていただければ、たった数ヶ月でスムーズに英語で接客できるようになります。

実際、弊社のレッスンを受けられた方の中には、本当に英語が苦手で、「work」がどういう意味かすらわからないという方もいらっしゃいました。

しかし、1回60分、週1日のレッスンを受けられたら、3 ヶ月後には「いらっしゃいませ」~「お越し下さりありがとうございました」までの20 以上の接客英会話を全て覚え、何も見ないでも言えるようになりました。

それどころか、「これは何?」「何が入っているの?」というよくある質問にも、英語で受け答えできるようになったのです。

このように、お客様から聞かれることやこちらが質問する英語を予め知っていれば、海外からのお客様に対して漠然と抱いていた恐怖心は打ち消すことができます。そして、必要な英語だけに絞って勉強すれば、たった数ヶ月でスラスラと接客できるようになれるのです。

「今まで英会話の本を買って勉強したり、英会話スクールに通ったけど、どれも長続きしなかった……」

という方、少しわくわくしてきませんか?

カジュアル店と高級店別にスタッフ⇄お客さんの英会話フレーズを掲載(第5章)

海外からお客様が来店すれば、お店の可能性が広がる

え?海外からのお客様がお店に来てないから、英語なんて必要ない?

それは、もしかしたらお店の集客に対する準備不足が原因かもしれませんよ?

海外からのお客様にとって、入りやすい飲食店と入りにくい飲食店には、明確な差があります。

入りやすいお店に必要な要素を満たせば、海外からのお客様に選ばれるお店になるかもしれません。

(入りやすい飲食店と入りにくい飲食店についての詳細は、第8章の「海外からのお客様を集客する方法」をご覧下さい)

え?別に外国人に来てほしいなんて思っていない?

お店が毎日日本人客で満席状態であれば、確かにそうかもしれませんね……。

でも、もしまだお店にお客様を受け入れる余裕がある、もしくは、今後の日本の人口減少や高齢化を心配されているのであれば、ぜひこちらをご覧下さい。

〈海外からのお客様の増加によるお店の5 つのメリット〉

① 客数が上がる

② 売上が上がる

③ 利益が出る

④ 採用時に他社(他店)との差別化を図れる

⑤ 外国人を雇用しやす くなる

最初の3つに関しては、もうおわかりですよね?

単純に、客数が上がれば売上が上がります。

特に旅行客は「現地でおいしいものをたくさん食べる」ことも旅の楽しみの1 つとされていますので、日本人客よりもたくさん注文する傾向にあります。

(2016 年9 月27 日にぐるなびが発表したデータによると、外国人客のランチの平均単価は1,644.6 円、ディナーは4,161.5円)

そして、4 番目の「採用時に他社(他店)との差別化を図れる」についてですが、「海外からのお客様に人気のお店」というのは1 つのブランドになります。

特に、語学が堪能な方、仕事への向上心が高い方にとっては、「弊社の飲食店は海外からのお客様に人気が高く、お店の5 割を占める時もあります」という企業PR が、就職や転職の際に魅力の1つとして映ることは間違いありません。

最後に、5番目の「外国人を雇用しやすくなる」について。

海外からのお客様が多く来店されれば、スタッフは自然と外国人と接する機会が増えるので、外国人スタッフを雇用した際も、コミュニケーション不足に陥るリスクが減ります。

飲食店を運営しているとある大手企業では、日本人の採用が難しいので外国人雇用を始めたものの、現場の日本人スタッフとうまくコミュニケーションがとれず、1 ヶ月もたたずに辞めて行ってしまうというお話を人事の方から聞きました。現場の日本人スタッフがもっと英語を話せれば、せっかく入社してくれた外国人は辞めずにすんだかもしれないと、悔しそうにおっしゃっていたのが印象的でした。

このように、海外からのお客様が増えることで、お店の可能性はもっともっと広がるのです。

さあ、お店の未来にわくわくしてきませんか?

海外からのお客様にとって「入りにくいお店」と「入りやすいお店」の差は何?(第8章)

適切な英語メニューの導入で売上UP

え?海外からのお客様は全然食べないで帰っちゃう?

海外のお客様が飲食店で注文しない、なんてことはありません。特に旅行客であれば、せっかく日本に来たのですから、日本で食を楽しみたいと考えているはずです。

では、なぜ海外からのお客様はほとんど頼まずにお店を出てしまうのでしょうか?

それにはこのような原因が考えられます。

●日本語のメニューしかないので字が読めず、注文できない

●英語のメニューはあるが、英語が間違っている(不思議な英語になっている)ので、怖くて注文できない(例:きつねうどん→ fox udon)

●英語のメニューはあるが、写真や詳細が書かれていないので、どんなものかわからず注文しづらい

●お店がクレジットカードに対応していないので、持っている現金内の金額しか使えない

もし該当しているものが1 つでもあれば、そちらを改善することでもっとご注文いただけるようになるかもしれません。

え?正しい英語のメニューの作り方がわからない?

ご安心下さい、そのためにこの本を出版しました。

〈本書では主にこのような内容をご紹介しています〉

●海外からのお客様から、日本の飲食店に対する要望(訪日・在留・定住の500 名を対象に街頭で聞き取り調査を実施)

●日本と海外の接客の違い

●英語メニューの作り方と、人気の高いメニューの英訳サンプル

●よく使う接客英会話のフレーズ(スマホで聴ける音声あり)

●海外からのお客様を集客する方法

●海外からのお客様をお出迎えする上で一番大切なこと

つまり、この1 冊があれば、何らかの理由で海外からのお客様の集客を躊躇されていた方でも、手軽に始めることができます。

それでは早速始めて下さい!と言いたいところですが、その前に注意書きが3点あります。

まず気をつけていただきたいのは、私たち日本人は、海外からのお客様を「外国人」とひとくくりにしがちですが、国や地域によって彼らの言語、文化、価値観は大きく異なるということです。

例えば、日本はアジアに属しますが、インドも同じくアジアです。でも、日本人とインド人では見た目から話す言葉、食生活、特徴等まるで違いますよね?

このことから、「外国人=○○」とは一概に言えないことを、予めご理解下さい。

次に、本書では「外国人」という言葉は極力使わないようにしています。

確かに彼らは「外国人」ですが、お店にとっては大切なお客様でもあるのです。

よって、外国人ではなく「海外からのお客様」という言葉に置き換えています。

まだ使い慣れていない分、イメージしづらいかもしれませんが、敬意を払う意味も込めて、今後はぜひ「海外からのお客様」と呼ぶようにしましょう!

最後に、本書では500 人の海外からのお客様に声をかけ、聞き取り調査を行った結果をベースに内容をお届けします。

質問させていただいた方々の多くは、英語を話すことができ、容姿が日本人とは異なる方です。

ですので、中国や韓国等、東アジアの方々よりは、北アメリカやオセアニア、南アジア、ヨーロッパ出身の方々の意見が強く反映されている点をご了承下さい(アフリカや南アメリカからはまだ来日者数の分母自体が少ないです)。

中学・高校で学んだ英文法メインの勉強法と完璧を求められたテストのせいで、「英語が苦手」「英語は嫌い」「外国人は怖い」とお考えの方は非常に多いかと思います(私も19 歳で渡米するまではそうでした……)。

本書が、そのような英語アレルギーをお持ちの方の背中をポンっと押し、「よし!海外からのお客様を積極的に集客しよう!」と思っていただけるきっかけになれば、とても嬉しいです。