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書籍名:「この私」をただ肯定するために「妄想」を挟み撃つ―不信や迷いをそのままにできる居場所を自分につくる、その手立てについて

「この私」をただ肯定するために「妄想」を挟み撃つ―不信や迷いをそのままにできる居場所を自分につくる、その手立てについて

著者:山本浩貴(いぬのせなか座)

定価:500円(税込)

Outline書籍の概要

“「妄想」が「妄想」としてただ肯定されるわけではない。むしろ「妄想」が「妄想」でなくなる瞬間を前提に「妄想」が肯定されるというねじれた構造が、「妄想」肯定の言説には生じているのではないか。”

「妄想」なるものをポジティブに捉え直すという営みを、ここ数年でたびたび見るようになった。しかし、そのほとんどは「ねじれた構造」に陥っているのではないか。すなわち「最終的には「妄想」の域を超え「現実」に資するからこそ「妄想」がその価値を認められている」という構造。「妄想」が、本当にただの「妄想」にとどまり続ける限り、それはやはり既存の「妄想」という語に付随するネガティブなイメージでもって語られてしまうのではないか。社会課題を解決する糸口になることで、あるいは経済的な利益を生むことでしか「妄想」に価値は生じないのか? この問いはあくまで一つ目の議論。もう一つの「妄想」にまつわる議論は、制作と社会をつなげるための論。「妄想」をかたちにし、それを社会に流通させ続けるための場をつくるにはどのような工夫が必要なのか?この二つの角度から「妄想」を問い、「妄想」とは何なのか、「この私」について「妄想」とは如何なる意味を持つのか。

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著者プロフィール

山本浩貴(いぬのせなか座)(やまもと・ひろき(いぬのせなかざ))

1992年生。小説家/デザイナー/制作集団・出版版元「いぬのせなか座」主宰。小説や詩や上演作品の制作、書物・印刷物のデザインや企画・編集、芸術全般の批評などを通じて、生と表現のあいだの個人的な結びつき、または〈私の死後〉に向けた教育の可能性について検討・実践している。主な小説に「無断と土」(『異常論文』『ベストSF2022』)。批評に『新たな距離』(フィルムアート社)、「死の投影者による国家と死」(『ユリイカ』2022年9月号)。デザインに『クイック・ジャパン』(159-167号)、吉田恭大『光と私語』(いぬのせなか座)。企画・編集に『早稲田文学』2021年秋号(特集=ホラーのリアリティ)。