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書籍名:死にたがりの「妄想」―鬼と共に生きて

死にたがりの「妄想」―鬼と共に生きて

著者:角野桃花

定価:500円(税込)

Outline書籍の概要

「死にたがりの「妄想」―鬼と共に生きて」では、『約束のネバーランド』や『鬼滅の刃』といった作品と、そこに登場する「鬼」たちについてどのような解釈が可能かを示しつつ、角野さん自身が「私にはなぜ批評が、虚構が、物語が──すなわち、「妄想」の力が必要なのか」についての語りを綴っています。

この社会は「普通」であることを求める。そして「普通」に生きるための道筋や、上手いやりかたは確かに示されている。けれども「普通」でいられない存在のためのそれは、用意されていない……少なくともわかりやすい形では。それでは「普通」ではない存在が、無理やり「普通」に身体を合わせ続けることなく生きていくためには、なにをよすがにすれば良いのか。そこで角野さんは「批評」や「物語」といったものに可能性を認めています。

私がアニメや漫画などの作品に没入し、己の「妄想」する力を駆使して解釈を生み出し批評を書くことは、「おまえは存在してはならない」というメッセージを私に突きつけてくる現実の社会に出ていくために必要な営為なのだ。 角野桃花「死にたがりの「妄想」―鬼と共に生きて」 そのような営為を、具体的にはどのような手つきで行うのか、そしてそれが生きることとどのように繋がるのか。そして「鬼とともに生きる」とは、なんなのか。それがよくわかる文章になっているはずです

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著者プロフィール

角野桃花(すみの・とうか)

1996年生まれ。東京大学教養学部卒業。2021すばるクリティーク賞最終候補(「サブカルチャーの〈娘〉とその〈母〉と〈父〉――『キルラキル』を通じて)。第65回群像新人評論賞(「「ママ」をもう一度人間にするために――『約束のネバーランド』と『かか』において」)。大学卒業後は会社員をやる傍らで、アニメや漫画などのサブカルチャー作品をテーマに批評を執筆中。