書籍名:無意識と夢 −川上弘美試論

無意識と夢 −川上弘美試論

著者:住本麻子

定価:500円(税込)

Outline書籍の概要

『蛇を踏む』『センセイの鞄』などで知られる現代作家、川上弘美。現実離れした「夢」あるいは「無意識」のような奇妙な出来事が、まるでごく普通の日常の延長線上にあるように描かれる彼女の作品。

その作品を読解するにあたって、おそらく最も手軽な「その奇妙な出来事は何を意味しているのか?」というアプローチ……しかし、本著ではそのセオリーを退ける。 もちろん、「夢」や「無意識」が川上作品における重要な要素となることは間違いない。しかし、その意味を読み解くようなことは的を外してしまう。

“オイディプスの物語を元にして抑圧の原因を分析したり、登場人物の言動を症例として扱うことになり、意味に回収してしまうことになる。そうではなくて、無意識や夢をそれそのものとして理解し、受け止めること。川上の小説は、畢竟それに尽きるのではないか。”


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著者プロフィール

住本麻子(すみもと・あさこ)

1989年、福岡県生まれ。ライター。主な論考に「「とり乱し」の先、「出会い」がつくる
条件――田中美津『いのちの女たちへ』論」(『群像』2022年7月号)、「雨宮まみと「
女子」をめぐって」(『中央公論』2022年8月号初出、雨宮まみ『40歳がくる!』(大和
書房)再録)など。2023年度『文學界』新人小説月評を担当。荒木優太との共著に『文豪
悶悶日記』(自由国民社)。