- 人文・思想
書籍名:妄走のあとで
Outline書籍の概要
私たちは、暮らしを便利にするものに囲まれている。たとえば、階段。しかし、同じ階段でも中には「もう少し段差が多ければ登りやすいのに」と思う人もいる。それなら、段差を増やせば良い。そうして段差を増やし続けると、いずれ階段ではなくスロープになる。スロープであれば、たとえば、足を悪くしていても登れるはず。非常に便利だが、そこにはある問題が生じてしまう。
たとえば、段差が20ある階段を想像して欲しい。そこに立つ人に向かって「あなたは今、階段のどこにいますか」と問うたとしよう。 たいていの人はその質問に、「3段目です」「12段目です」と即座に答えることができるはずだ。
しかし、スロープは違う。スロープに立つ人が同じ問いを投げかけられたとすれば、せいぜい「真ん中あたりです」「端の方です」と答えるしかない。「私は今、どこにいるのか」「私の足場となり、支えになってているものはなにか」といったことを正確に捉え、説明することはできない。現代社会に生きる人々は、このような状態に置かれている……小川はこの「階段とスロープの比喩」で私たちの抱えて問題を問う。 そのことによって何が起きているのか?そこから抜け出すにはどうすれば?この状況を理解するうえで参照すべき作品は?そして「妄想」とこの問題がどのようにして繋がるのか?……それらの問いに答える、鋭い社会批評。
「次世代の教科書」編集部/妄想講義シリーズ 第16巻
「面白くて役に立つ本を次世代へ」をコンセプトに、まだ世の中であまり知られていないけれど、面白くて重要な気づきを与えてくれる内容に光を当てる「次世代の教科書」編集部の新シリーズ。
今回は「妄想」をテーマに、明るい未来を作るための「考える力」を習慣にする講義シリーズです。「賃労働」「不妊治療」「SNS時代のコミュニケーション」「エアコンのない生活」など、テーマは多様で今もっとも新鮮でリアルな価値観やテーマを学ぶことができます。多様な執筆人が「妄想」を語り、読者に新しい未来の可能性を与えます。
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