書籍名:今日が一番悲しい日だといいね

今日が一番悲しい日だといいね

著者:姫乃たま

定価:500円(税込)

Outline書籍の概要

 辛い、やめたい、立ち上がれない。先の見えない不妊治療、挫折と失望が繰り返されて、また目の前が暗くなる。元地下アイドル、ライターの姫乃たまが書くのはそんな一年間の道のり。産婦人科の殺伐とした冷たい空気で「生き物はいつ死ぬかわからないのと同じように、いつ生まれてくるのかもわからない」ことを実感する。


 寂しさや怖さ、そして確かな生々しさも帯びていながらどこか浮遊感のある記述が印象的なエッセイ。どこか別の国にやってきた子供が、自分が想像もしなかった理不尽をこの目で見てショックを受けている。そんなプリミティブな傷つきが淡々と語られる、中性的な文章──「不妊治療」という題材を扱っているにも関わらず。


 「不妊治療って痛みと不安のミルフィーユで、定期的に絶望も用意されてる。出口が見えなくて目の前が真っ暗だけど、人間っていつ死ぬかわからないのと同じくらい、いつ生まれてくるかもわからないんだよね。今日が一番悲しい日だといいね、がんばれ私。」
そんな真っ暗な視界のなかで、光となって進む力になるのが「妄想」。それは果たして、どんな妄想なのか。絶望では終わらないための、希望を抱き直すための「妄想」のかたちとは、いったいどのようなものなのか。

次世代の教科書」編集部/妄想講義シリーズ 第3巻

「面白くて役に立つ本を次世代へ」をコンセプトに、まだ世の中であまり知られていないけれど、面白くて重要な気づきを与えてくれる内容に光を当てる「次世代の教科書」編集部の新シリーズ。

今回は「妄想」をテーマに、明るい未来を作るための「考える力」を習慣にする講義シリーズです。「賃労働」「不妊治療」「SNS時代のコミュニケーション」「エアコンのない生活」など、テーマは多様で今もっとも新鮮でリアルな価値観やテーマを学ぶことができます。多様な執筆人が「妄想」を語り、読者に新しい未来の可能性を与えます。

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著者プロフィール

姫乃たま(ひめの・たま)

1993年、東京都生まれ。10年間の地下アイドル活動を経て、2019年にメジャーデビュー。同年4月に地下アイドルの看板を下ろし、現在は文筆業を中心にラジオ出演や音楽活動をしている。2015年、現役地下アイドルとして地下アイドルの生態をまとめた『潜行~地下アイドルの人に言えない生活』(サイゾー社)を出版。著書に『永遠なるものたち』(晶文社)『周縁漫画界 漫画の世界で生きる14人のインタビュー集』(KADOKAWA)など。音楽活動では作詞と歌唱を手がけており、主な音楽作品に『パノラマ街道まっしぐら』『僕とジョルジュ』などがある。